開発ストーリー

— 走りの感動を取り戻すための、4年の旅 —

すべては、一台のロードバイクとの出会いだった。

4年前、私たちは初めて100万円クラスのフルカーボンロードバイクに乗りました。
その瞬間、世界が変わったんです。


踏むたびに、風が裂けていくように前へ伸びていく。
どこまでも速度を上げていける感覚。
まるで走りそのものが解放されていくような体験でした。


そして思ったんです。

「この体験を作った人たちは、本当にすごい。」

道具という枠を超えて、人の心を揺さぶる究極のものづくりに
胸を打たれました。

その日から、私たちは
「自分もいつか、こんな感動を届けられる乗り物を作りたい」
と強く思うようになりました。

日本の技術は世界一なのに、完成車ブランドが少ない。

ロードバイクで心を奪われたあの日、
私たちは自然と自転車の世界そのものを深く調べ始めました。

調べれば調べるほど、世界のスポーツバイクは、
欧米ブランドが作り上げた完成された領域だと知ることになる。
何十年、何百年という歴史の中で磨かれた美学と技術。
そこに割って入るのは、正直とんでもなく難しい。

でも、ひとつだけ未完成の領域があった。

それが E-Bike だった。

市場を探してみても、
「これこそ一流だ」と呼べるE-Bikeはほとんど存在しない。
あっても数百万円クラスのハイエンド品ばかりで、コンセプトモデルのような製品だった。

E-Bikeはまだ誰も完成させていない。
家電メーカー出身の私たちなら、もっといい物を作れる。

そして、日本には世界最高レベルの部品メーカーや電子デバイスの実装技術があるけど、世界に誇れる完成車ブランドは生まれていない。

ならば、私たちがやるしかない。
日本から、世界に誇れる本物のE-Bikeを。

逆転の発想。私たちが目指したE-Bikeの形。

E-Bikeを研究していく中で、ある決定的な事実に気づいた。

ほとんどのE-Bikeは、モーターやセンサーを先に選び、
フレームが後から合わせるように作られている。

つまり、
走りの心臓であるフレームが、
電気部品の都合で形をゆがめられている。


だから規格が特殊になり、
整備性は落ち、合理的なロードバイクの構造から離れていく。


私たちは、それがどうしても納得できなかった。


あの日、感じたあの感動は、
100年続くフレームの進化が生み出した奇跡だった。


そのDNAを捨てた瞬間、
E-Bikeはただの便利な乗り物に戻ってしまう。

だから私たちは、真逆のやり方を選んだ。

電動の都合ではなく、走りの都合で作る。
まず最高のフレームを作り、それに合わせてモーターとセンサーを開発する。
ロード・グラベルの正統規格をすべて守りながら、
カーボンフレームの軽さと美しさを最大限に引き出した。

フレームに合わせたスルーアクスルモーター、本来BB(ボトムブランケット)にあるセンサーは、パワーメータを開発してモーターに内蔵。

これによってE-Bikeでありながら、フレームはT47、UDH、スルーアクスルを実現。

すべてを 本物のフレームありきで作り直した。

すべてはあの日の感動を届けるために。

開発の4年間は、理想の走りを追い求め続けた挑戦の連続だった。
テストを繰り返し、抵抗を極限まで抑え、静音性と自然なアシストを両立しようとすると、従来のシステムではまったく満足できない。そこで僕らは、フレーム構造、制御システム、通信規格からパワーメーターまで すべて自社開発 するという、道を選んだ。

カーボンフレームも同じだった。
軽さ・強さ・しなりの理想を追うほど、矛盾が生まれる。
積層を変え、設計を変え、最後の数百グラムを削るために型まで作り直した。
11.7kgという数字の裏には、何度も心が折れそうになった無数の試作がある。

それでも前に進めたのは、
電動でも、走りで人を感動させたい
という想いが途切れなかったからだ。

そして試作11号。試乗して頂いたロードバイク乗りの人達から

「こんな素晴らしい物を作ってくれてありがとう!!」

その一言で、4年間の苦労がすべて報われた。
EX ONE は、便利さのためではなく、
走りの感動を取り戻すために生まれたE-Bikeだ。